ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

七五三、あれこれ

少し賑わい、ちょっと華やいだ七五三が終わると、氏神さまの境内はにわかに秋が深まった感じです。
一昔前に比べると、七五三もそれなりに様変わりしているように感じました。以前なら七五三当日の11月15日は、朝の8時を過ぎるころから身なりを整えた親子連れが続々と鳥居をくぐり、祈祷開始時刻には拝殿は満員になるほどでした。
昨今は15日が平日に当たると拝殿はがらがら。親が勤めを休めない、というのが大方の理由。ですから、お参りは土、日に集中します。しかも、お参りはまちまち。祈祷受付時刻に合わせてお見えになる親子は少なく、やれ写真屋で遅れた、着付けが混んで1時間待たされた等々「はぐれ組」ばかり。
三つや五つの子供を待たせるとすぐにぐずりだすので、私どもではお客様のお顔を見るとすぐ受付を通し、その一組だけでも昇殿してもらう。祈祷が終わって御殿を下がってくると、控え室にはもう次のはぐれ一組が待ちくたびれ、子供は悪態をついてソファに逆立ちしています。「お待たせ、ごめんね」と悪ガキをあやしながら、またこの一組だけ御殿へ案内します。応対のスタッフは?いいえ宮司たった一人です。やれやれ。
10年前なら、参拝者は受付時刻までみんな顔をそろえてくれて、一度に10組、20組まとめてお祓い、祈祷しました。今は、こちらが個々の親子の気ままな時刻に合わせて応対しなくてはいけない有様。
「七五三って、子供の厄年?」何て問い合わせ電話も何件かある昨今です。子供の数が減った反面、キンキラ着飾った親子が多く見られるようになり、また、離婚されたのか親の名前欄に母名だけ書かれた受付用紙が毎年ふえているような気がします。
ことしの七五三、子供たちはどんな幸せを授かったのでしょうかね。