ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

お盆・ふるさと・あと継ぎ

お盆で里帰りした長男一家を連れて、私の実家へ墓参に出かけた。今の住まいから、私の古里までは車でわずか30分の距離。
去年の夏亡くなった実母の真新しい墓石にサカキを供えながら(実家は神式)、孫たちに先祖の話をさらっと聞かせた。
「この墓石がおじいちゃんのお父さんとお母さん、こちらがそのまたおじいちゃんとおばあちゃん、そのまた横は……って、ずっと続いているのだよ。たくさん並んでいるでしょう」さらに「3代前の○○さんの時代に家が栄えたので、長男に生まれた私はその名前の一字をもらって○○って名づけたと死んだお母さんから聞いている……」と長男にも話した。
私は、子供の時から母や叔母に事あるたび言い聞かされた。
「お前は、この家の長男だ。○○おじいさんの名前を一字もらっていることを忘れずに、しっかりした男になれ」私には、この暗示が今も効き続けているようだ。
いろいろあって、継ぐべき家督は弟に円満に譲って(実際は押しつけて?)私は妻の家に養子入り今に至っている。何だかんだ言いわけしたって現実は先祖に対する長男としての責務を放棄した身、墓参りするたびご先祖に申しわけなく心の奥底でいささか詫びている。