ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

きょうのため息

氏神さまは、氏子の手で維持運営されてます。
各地区の代表が氏子総代。わが社には40人ほどの総代がいて、これが一国一城の主ばかり。土地柄農業者と紡績会社OBが大半、それに商店主や役人上がりのご隠居さん。一堂に顔をあわせると全くの老人クラブ
宮司の私が最年少。就任当時は陰で若造扱いされることもありました。こちらも養父母と暮らしてきましたから、年寄りの扱いには慣れてます。ひたすら低姿勢。野暮な意見にも笑顔で接し、争わない。年長者の相手を立て、小さな仕事にもご苦労さん、ありがとうの一言を添えるのを忘れない。ただし、代表役員・宮司として譲れない部分ははっきり区別してきました。
ここでも心いやしい人を見てきました。中でも、成り上がりと言われる人はどうも扱いにくい。人の意見に耳を貸さない、自分中心、動かない、氏神さまに奉仕する身でありながら、何事にもまず損得を勘定する。お金に汚い。
片や不満を漏らさず、黙々と仕事をする人には、心から頭が下がります。そんな人は大抵心根がきれいです。ところが、こんな人に限って突然病にかかったり、身内に不幸が続いたりするものです。あんなに信心深い人が…世間のうわさを耳にします。神職の立場としては、これは辛いですね。
疲れがたまってくると、ついこんな思いにこだわってしまいます。