ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

千里の道も一歩から――運転免許証を自主返納しました

一か月振り、外を歩いた。

 

ショッピングカートを押したり、引っ張ったりしながら、十数分かけて食品スーパーへ

たどり着き、次にドラッグストアへと回った。買い物所要時間40分。自宅を出てからお

よそ1時間10分、やれやれ無事帰宅できた。

 

 12月9日に、外出しようと表へ出た途端、玄関の敷きマットがずるっと滑って転倒、

右足首を捻挫してしまった。とっさに手で体を支えたので頭をどこかにぶつけることは

なく、腰を少し痛めただけで済んだ。

 消炎鎮痛剤を貼り続けたが、痛みが和らぐのは日数頼みであった。幸い、今年は娘が

クリスマス前から冬休みが取れて、年明け5日まで毎日、朝から晩まで通ってきてくれ

て食べ事など助けてくれた。お医者へも連れてもらった。

 

 足の痛みもほとんど感じなくなったので、寒さの緩んだ時刻を選んで買い物に出たと

いう次第。

 

 

 昨年10月末に、自動車運転免許証を自主返納した。かなり思い悩んだけれども「この

辺りが車を降りる潮時かも‥‥」と決心した。

 

 

 25歳で免許を取ってから、スピード違反2回、駐車違反1回は全く己の不注意であっ

たが、無事故で免許証を返納することができて、ほっとしている。

 

 でも、たちまちその日から暮らしが不便になってしまった。ひょいっと,そこのコンビ

ニまで‥‥、郵便ポストまで‥‥、銀行のATMまで‥‥という具合にはいかなくなっ

てしまった。スーパーへ買い物も徒歩である。つい腰が重くなる。

 

 

 振り返ると、免許を取る前は、通勤もレジャーもすべて「歩き」か自転車であった。

そのころに戻っただけである。新聞記者時代は、かなり歩き回ったものだ。

 自家用車で走り回れるようになったのは、不本意な事情で家業を継いでしばらく、40

歳代前からである。

 

 ――まあ、せかせかすることもあるまい。ゆっくり暮らせばいいんだ、と何度も自分

に言い聞かせ納得したものの、本当のところしばらくは、心の底ではあきらめきれない

ところがあった。

 

 

日用品は、町内のB食品スーパーの「宅配サービス」を時々利用することで楽になっ

た。

 運転免許証を返納した代わりに運転経歴証明書を申請・取得したので、病院行き

など町内タクシーを利用すれば1割引きしてもらえる。ちなみに、「運転経歴証明書

は1,100円の申請料を添え最寄りの警察署へ申請する。警察署までの私の往復タクシー

代6,500円余なり。申請1か月後、また6,500円のタクシー代を支払って「運転経歴証明

書」を受け取りに出かけたのである。>