ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

目に若葉〜

三日続きの雨風で、境内林の装いが変わった。

サクラやクスなどの病葉がきれいさっぱり落ち果て、みずみずしい若葉に入れかわった。

春に三日の晴れなし。毎年この時期は、雨と風の日が多い。まるで世代交代をせかせるかのようによく降り、風も強い。

移ろう季節に背いて、相変わらず社務所に座っているのは、老体ひとり。

ここだけは世代交代いつのことやら……。

晴れ間を待ちかねて、境内の玉砂利に竹箒をいれ、再び雨粒が落ちてくると社務所に戻って黙々とパソコンに向かう。

時折、背を伸ばし、腰をたたき、しょぼつく目に目薬を落としながら、今日も無事、ご奉仕の一日が暮れそうだ。