ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

やすきにつく

 氏子のAさんが車を買い換えたので、昇殿され交通安全を祈願された。

 先ごろ追突され、車は後部を大破したが、幸いけがは免れたとの話。
 
 「新車にかえるたび交通安全祈願のお参りをし、車のお祓いをしてもらっているお蔭です。小難で済ませてもらった。」と頭を下げられた。

 「災難でしたね。でも、けががなくてよかった。」と私。

 40代のAさんは、きっと日ごろ周りに気を配りながら、安全運転に努めておられるから大難を逃れることができたのでしょう。それを神さまのご加護によるものと謙虚な態度で神前にぬかずく。

 Aさんのその心根に私は感服、一層気を入れて清祓の儀(交通安全祈願)を務めた。
「いつもていねいにお祓いしてもらってありがとう」Aさんは礼を述べて帰られた。

 神職として、人さまに喜んでもらえた時は、本当にうれしいもの。

 同時に、神さまとAさんとの「なかとりもち」として、自分の立ち居振る舞いは神のみこころ(神慮)にかなっているのだろうか、自分をさいなむことたびたび。

 日常生活で、幾つになっても、気がつけば「易きにつく」自分を見る。しかってもしかっても、つい労を惜しむ。手軽な道・方法を選んでしまう。