ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

春なのに

朝、通用門をくぐると車のフロントいっぱいに満開のソメイヨシノが飛び込んでくる。生い茂る木々の緑をバックに、ほんのりピンクが明るくさわやか。浮き立つ乙女のようだ……何て表現してみたくなる。古い奴だとお笑いくださるな。
さっき境内林にはいったらウグイスの鳴き声を聞いた。山鳩の声ものん気に聞こえた。春、満開である。
なのにこの身はスランプである。仕事の内容は、いつもの年度初めとさして変わらないのに、何かしらすべて億劫なのである。
この週末も社務の予定いっぱい。先週もそうだった。相変わらず休日を取ってない。年末年始は言うまでもなく、もう半年いやもっとずうっと前から。
自分が勝手に休みを取らないのか。いや、やはり休めないのである。一日休むと、その日分の仕事が後ろに山積みとなるばかり。だから毎日出社する。
うつ?とんでもない。体はだいぶ老いてはいるが、心はそんなひ弱でない。
窓の外には、夕日に映えるサクラ花。明日も晴天のようだ。