ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

しつけが必要なのは、お母さん……

境内林に隣接してカトリック系の私立幼稚園がある。この時期毎日、運動会に備えて練習を重ねるブラスバンドのにぎやかな音が当社の境内にまで響き渡る。
こちらも知らぬうちに憶えてしまって鼻歌に出てくる。「おや、だれか音程間違えたぞ」つい心配したりもする。こんな話を、ふと顔あわせた同園の若い先生に聞いてもらって笑いあった。
子供たちの元気な声は快くさえあっても気にならない。困りものは、子供を送り迎えするお母さん方のマナーの悪さ。園の近くに園専用駐車場があるのに、送迎に便利のよい神社の駐車場へ殺到。いっとき大混雑する。迷惑するのは来合わせた神社の参拝者と来客。通路をふさいで、社務所への出入りがままならぬこともたびたび。
送迎の迷惑は一時で済むが、もっと迷惑は午後の長時間駐車。「参拝者以外の駐車はご遠慮を」の看板は全く無視。お母さんたちの趣味の集いなど2時間も3時間も居座る。参拝者から苦情が来る。幼稚園を通じて何度も注意してもらうのだが、馬の耳に念仏。全然効果なし。あきれるばかりである。
この幼稚園は以前から評判がよく、町外からの入園者も多い。わが子を立派な幼稚園に通わせて……という親心は理解できる。じゃあお前さん方はなんじゃい、と言いたくなる。いい子に育てたいなら、まず親であるおのれが身を正すべきじゃござんせんか。