ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

反対は、お一人です

昨年4月から、自治会の会計を務めている。 この3月いっぱいで任期満了、4月第一日曜日に開催予定の総会で決算報告をし、新年 度の会計係に会計書類を引き継ぐ段取りである。 私どもの自治区は、住民の高齢化が進み、空き家も目立つ。 自治会にはいらない世帯…

[さあ、‥‥]とか「ただ、‥‥」だとか、ちょっと何だか‥・

夜、テレビの歌番組を見ていて、ちょっと気になった。 女性の司会者。「さあ、今週の特集は、昭和〇〇年のヒット曲特集です。さあ、さて どんな年だったのでしょう」「さあ、まずはこの歌から‥‥」 “くせ“なのか、しゃべり始める度に「さあ、」が出る。 「さ…

主(ぬし)さまは、どんなお人やら…

ふと気が向いて、人さまのブログをあちらこちらちょっと見して回ることがある。 ジャンルを問わず、タイトルで選んでポッチンする。 思わずつまみたくなるようなおやつや、手間かけずに、老体でも真似できそうな総菜 の写真を見ると、つい立ち止まる。 おい…

きさらぎのおもいで

昼下がり、愛犬チワワ「マロン」と散歩に出かけた。 空に雲なく、何だか「春、遠からじ」を覚える暖かく穏やかな日差しがまばゆかった。 (でも、しばらくは油断は禁物。寒さのどん底は、まだこれからだ。) 節分が過ぎ、2月11日の氏神様の獅子舞神事が終わ…

「終活年賀状」は、書かない‥‥

「終活年賀状」の文例が、ネット上で見られるようである。 二三年前から、私の手元にも何通かの終活年賀状が届くようになった。それに、ことしも既に十二三通の喪中はがきも来ている。 それやこれやも加えて宛名名簿を整理してみたら、私も妻もそれぞれ100枚…

あとひと口、もうひと口

所用で隣市へ40分ほど車を走らせたが、相手の急な都合で2時間近く待たなければならなくなった。 午後1時を過ぎていたので、どこかで腹ごしらえをすることに。 久しぶりに、みそラーメンと餃子でも食するか――と、カーナビで最寄りの中華料理店を検索するが、…

生かされてます‥‥

月半ばから、何かとせからしい――老体には、気疲れを覚える日が続いた。 総合病院で私の抜歯。次いで妻が健康診査で血圧が高すぎる、心臓病が懸念される、と内科からの紹介でハートセンターへ急ぎ回され、心臓エコーやCT検査など丸一日不安な時間を過ごした…

あの人は、今どこに・・・

「お父さん、たまには3人でお昼 外で食べない?」娘が電話して来た。 「いいなあ。――母さんも一緒に行くだろう」と妻に同意を求める。 「じゃあ、迎えに行く」と娘。 娘は、M市の自宅マンションから車で40分余。私と妻を乗せる、ととんぼ返り。M市内のレス…

彼岸のお墓参り

明け方、尿意を我慢してうつらうつらしていたら、いやーな夢を見た。 雨上がりのぬかるみを、昔ながらの荷車が近づいてくる。 見ると、愛犬のチワワが体に荷綱をかけられ、泥まみれになりながら、懸命に荷車を引っ張っている。 「マロン、お前が、なぜ?」と…

まぼろし?の善行‥‥

JR西日本の駅員さんが勤務中、酒に酔って寝ていた女性を救護室に連れ込んで乱暴したとしてクビになったあげく警察に逮捕されたという新聞記事が目に触れた。 昔から「人の世に盗人と痴漢は尽きぬ」とか言われるが、いつの時代にも、良からぬ気を起こすやか…

故郷の廃家

「故郷は遠きにありて思うもの‥‥」(後略) これは室生犀星の「小景異情」という詩の冒頭部分で、内容は寂しい詩なんだそうである。 私のふる里は、市町村合併で今では私の住まいと同じ行政区域内――同じ市内である。 指呼の間と言ってもいいほどの距離で、車…

心の罪・業(ごう)・心の傷‥‥

広島は8月6日、長崎は8月9日、ともに原爆投下(被爆)から73年の「原爆の日」。 原子爆弾が永久に使われないことを、ひたすら祈るばかりである。 澄み切った夏空を眺めていると、私は藤山一郎さんが歌った「長崎の鐘」(古関裕而作曲。昭和24年発売)を思い…

ひんやり‼抱きまくら

前々から「欲しいなぁ」と思っていた抱き枕。 「はい、父さんプレゼント!」思いがけず娘が、それもニトリのNクールまくらを買ってきてくれた。 「これは、これは。おおきにありがとう‥‥」 何だか私の心の内を見透かされていたみたい。やっぱり親子、気脈が…

――お恥ずかしや・・・

妻に探し物を頼まれ、倉庫のあちこちを探し回っていたら、肝心の頼まれ物は見つからず、代わりに私の懐かしいものが出てきた。 大きな段ボール箱に詰め込んだ新聞のスクラップブックが数十冊と4冊の文芸雑誌。 スクラップブックは、私が新聞社に在職中書いた…

にわとりの いのち

夕食のおかずは、鶏肉と野菜の炒め物。 「やっぱりもも肉が一番旨いや」とつぶやいたら、食卓の足元で飼い犬のチワワも、私のズボンのすそを前足でがしがし引っかきながら「ボクも相伴させてよ」(?)と催促する。 妻が「マロン(愛犬の名前)もこのごろぜ…

虫が起こる・・・

二三カ月前から読書虫?が起こっている。 リタイアした今、読書と言っても肩の凝らない時代小説――チャンバラ小説である。 佐伯泰英、葉室麟、稲葉稔、鳥羽亮から昭和三四十年代の山手樹一郎まで、読み出したらやめられない止まらない「カッパえびせん」CM…

妻の粗相

老妻が、自宅階段の下から4段目あたりから落ちた。2度目である。 私が、2階の部屋で探し物をしていると「お父さん、何してるの?」と階下で妻の声。面倒くさいので黙っていると、そっと上がってくる気配。その途端、ドスンと音が響いて「痛いッ」と悲鳴。 …

私と酒

時代小説を読んだ後、夜7時のテレビニュースで花より団子のお花見風景を眺め、続いてBSで時代劇「御家人斬九郎」を見終わったら、酒を飲んでみたくなった。 冷蔵庫を開けるまでもなく、我が家に冷えたビールなどあるはずもない。 料理に使う2合ビンがあっ…

「お父さん、離婚考えたことある?」

いつものように、勤め帰りの長女が、車を運転しながら電話してきた。(ブルートゥースを使って社内ハンズフリー電話) 親子のたわいない話ばかりだが、時には今日みたいに突然ドキッとするような問いかけをされることがある。 「お父さん、お母さんとの離婚…

け・い・ち・つ(啓蟄)

3月6日は、啓蟄(けいちつ)――冬ごもりしていた虫たちが、土の中からはい出してくる。 大きらいなヘビ様も動き出す。 私のお仕えしていた愛称「旅の宮」(離宮さんとか大漁の宮とも)は、古くからヘビ山と呼ばれ、ある年には特に「まむし注意」の立て札を森…

インフルエンザにかかって、亡き母を思い出す

2月1日の早朝から下痢が始まった。咳も連発する。 風邪かな?と様子をうかがいながら過ごす。 三日目、トイレに駆け込む間が開いてきたので、町内のかかりつけ内科へ車を走らせる。 「普通の風邪みたいですね。整腸剤を5日分出しておきましょう。」やれやれ…

妹よ

隣町に住む末の妹が、久しぶりに電話してきた。 「お兄ちゃん、ちょっと教えて‥‥」 妹の話の内容は、しゅうとめが他界した後引き継いだ自宅の神祭。神棚に、毎朝新しい水、米、塩をお供えして「家内安全」をお祈りしているという。 感心させられた。 神棚の…

ひとのうわさ話。

「小人(しょうじん)閑居して不善をなす 」という成句があるが、私みたいな老人が暇を持て余していると、ふと、何でもない過ぎし日の出来事を思い出すものである。 はるかムカシ(昔)、I新聞に転職して記者駆け出しのころの話である。 仕事は、まず朝の「…

イメージする……彼の女性(ひと)は

母の妹が他界し、その葬儀に参列するため郷里へ帰った。 久しぶりに親戚や幼なじみの顔と出会い、あいさつを交わした。とっさに名前を思い出せず「森の孝夫(仮名)やがな‥」と言われ「あっ、ごめん。見間違ったわ」と笑ってごまかしたものの、ばつが悪かっ…

人間のすることに・・・

新聞の社会面を開いたら「裁判官 うっかり。実名で呼びかけ」の見出しが目に留まった。 性犯罪の被害者が誰であるかわからないように、被告を匿名で審理したH地裁の公判で、裁判官自ら被告を名字に「さん」付けで呼んでしまったという。 裁判官だって人間、…

しち・ご・さん

日曜の12日、19日とその前後の数日「七五三」の手伝いで氏神さまの社務所へ出かけた。 小さなお宮のことで、常勤は神職(宮司)一人。 祈祷や行事が重なり、スケジュール一杯になると、来客につい不行き届きな応対になってしまう場合も出てこよう。 そこで、…

帰る姿が懐かしい……青春の並木道。

日没まで間があった。 知人を訪ねての帰り、急に思い立って、すこし回り道をして、昔の職場辺りをのぞいてみたくなった。 その宝物館の駐車場に車を止め、管理事務所の近くを歩いてみる。 高い植木に囲まれ、事務所は五十数年前の佇まいそのままに思えた。 …

ふる里は、今・・・

秋のお彼岸。妻と連れ立って私の生まれ在所へ墓参に出かけた。 車で30分ほど。 村はずれの、曲がりくねった細い坂道を上り詰めた辺りに墓はある。 花と水を供えて父母や先祖の霊を慰め、当家一統の無事を祈った。 実家に寄り、弟夫婦と歓談した。 私の同級生…

娘の気持ち・父の祈り

長女は、ほとんど毎朝晩、通勤途中の車から電話してくる。 「おはよう」とあいさつすると、 「うん・・。マロンは、何してる?」愛犬チワワのご機嫌を聞く。 老いた両親と飼い犬の、どちらを気にしてくれているのやら・・。 長女は、私どもから車で40分ほど…

男、至福のひととき?

連休で、名古屋に居を構える長男が帰省した。久しぶり、正月以来である。 夕食の後、コーヒーを飲みながらの雑談で。 息子が言うには、毎日大抵夜9時ごろ車通勤の帰り道、途中コンビニに立ち寄って100円コーヒーを買い、車の中で一人カップを抱え込む。 ひと…