ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

主(ぬし)さまは、どんなお人やら…

 ふと気が向いて、人さまのブログをあちらこちらちょっと見して回ることがある。

 

 ジャンルを問わず、タイトルで選んでポッチンする。

 

 

 思わずつまみたくなるようなおやつや、手間かけずに、老体でも真似できそうな総菜

の写真を見ると、つい立ち止まる。

 

 おいしそうなもの、珍しいものを、ちょっとだけ味わってみたいと思うからである。

 

 この写真の料理、どんな女性が、どんな気持ちで手作りしたのだろうか。食卓を囲む

ご主人、お子様方の幸せそうな笑顔を想像して、私もちょっぴり幸せな気持ちになる。

 

 

 

 挿絵を添えた「詩」を、こまめにアップされているお人もある。

 

 メルヘンの雰囲気を感じさせられる、自由詩のようである。

 

 目に触れた小さな草花や小動物、自然現象を題材に、“空に心を広げて“詩にされてお

られるようだ。

 

 まことに純真な、おさなごや乙女(古い表現かなぁ)のような清らかな、優しい心を

持った女性が作詞しているのだろうな、と想像して、私の心を和ませてもらっている。

 

 こんなブログに出合うと、ためらうことなく「はてなスター」をポッチン。

 琴線に大きく触れた時にはコメントして、感動を伝えることにしている。

 

 

 

  東京に住む30代女性のブログ。お出かけやグルメに積極なご気性らしい。

 

 神職経験を持つ私の目を止めさせたのは、神社巡りの記事や写真のアップが多いこ

と。

 

 ある時、パワースポットを訪ねて、遠路出かけた神社の所在地が、なんと私の生まれ

育った三重県南勢部の小さな村。

 大きな神社の別宮で、テレビで紹介されて、にわかに大賑わい。大型観光バスも数台

駐車している光景も日常だとか。

 

 私どもがかくれんぼした子供のころのお宮は、大樹がうっそうと生い茂り、昼なお暗

い、玉砂利の参道が大人でさえ気味悪かった。

 

 その女性の写真付きブログで紹介されていて、びっくり返ったものだった。

 

 

 

  人間、老い先が見えてくると、心も穏やかになって、時には道端の名も知らぬ、小さ

な草花にも愛おしさを覚えるものらしい。

 小鳥にも小動物に対しても然り。冬の沈む太陽を眺めて然りである。

 幼友達、来し方つき合った人々や出来事、一つ一つが懐かしく、忘れがたく、愛おし

ささえ覚えるのである。

 

 それと同じように、心の奥に触れたブログを毎日読んでいると、顔も名も知らぬブ

ログの主さまに、ちょいと声をかけてみたくなるような、時には淡い愛おしさにも似た

親近感を抱くようになる。

 

 そして、ふと我に返って、少し戸惑ってみたりするこの頃である。