ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

男、至福のひととき?

 連休で、名古屋に居を構える長男が帰省した。久しぶり、正月以来である。

 

 夕食の後、コーヒーを飲みながらの雑談で。

 息子が言うには、毎日大抵夜9時ごろ車通勤の帰り道、途中コンビニに立ち寄って100円コーヒーを買い、車の中で一人カップを抱え込む。

 ひと口のどを潤し、ほうっとひと息つく。この瞬間が、えも言われぬ、まさに至福のひと時だ・・ふふっと照れ笑い?した。

 

 同感! 私もすかさず相槌を打つ。あるある・・父さんは、その気持ちわかる分かるよ。

 

 100円コーヒーとはちと寂しいが、何ともゆったり気落ちの落ち着く、言葉に言い表せない至福の一刻であり、それはまた時には男の悲哀さえ感じる瞬間でもある。

 

 家族との生活が波立っているわけでもないし、仕事もほぼ順調だと言っていい方だろうし、日常に取り立てて不満というほどのこともないのだけれども、男ってやつは時々ふっと一人っきりの空間に閉じこもってみたくなるものなのか……私も夜空を眺めながら、自販機の缶コーヒーを飲んでホンのひと時至福の気分に浸った40代、50代のころを思い浮かべるのであった。