ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)。「ワンちゃん」は、昔、駆出し記者のころ先輩がつけてくれた。このあだ名、今では遥か青春時代のよすがでしょうか。

死って、何でしょう。

 この夏、母を、続いて親友を失いました。親友は高校のクラスメイトで、死因はすい臓ガン。亡きがらと対面し「お迎えが早過ぎるよな」冷たいけど、まだ柔らかい手を握るとどっと涙がこみ上げました。
 お通夜、告別式に参列し、改めて「死」を意識しました。これまで、死について取り立てて教えられたことがありません。神道の本を読んでも、私の知りたい死は取り上げられておりません。私自身も、これまで深刻に死を考えたことがなく、あるいは、考えるのを避けて通ってきたのかも知れません。でも、身近な人の死に接し、死を意識しないわけにはいきません。
 七、八月は親戚の一周忌、初盆にもお参りしました。法事が終わると、ビールや料理が出て、身内がそれぞれ故人の思い出話を披露し合いました。席上、故人はまるでそこに生きているかのようでした。
 亡くなった母も親友も、私の心の中にはずうっと生き続けています。
 でも本当のところ、氏子や崇敬者から死について尋ねられたら、私はどのように答えたなら相手に納得してもらえるのか、未だに迷ったままです。