ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)

病院で見つけたオアシス

 心臓を患い、昨年から最寄りの赤十字病院にかかっています。「待つ」ことに耐えるのが病院通い。検査、診察でそれぞれの担当科を回って、やっと計算(会計)窓口にたどり着くころにはもううんざり。
 ところが、先ごろちょっとしたオアシスを見つけました。
 それは支払い窓口です。H銀行派出所の窓口が三つあって、3人の女子社員が応対されています。そのお一人Aさん。支払いに来た客(ほとんど患者)の顔を見て微笑み、てきぱきと全身でお金の受け渡し処理をする。老人客の多い窓口だけに、一々言葉でチェックして相手を納得させながら、しかもその手さばきの速いこと。年寄り特有の奇問難題がはいっても、とっさの機転でやんわりさばいてトラブルにならない。最後に「お大事に」の一言を添えるのも忘れません。
 失礼だと思ったけど、薬が出るのを待つ間、少し離れてAさんの動きを見ていました。彼女の席が計算窓口に一番近いからお客が多いのかなと思ってましたが、遠い窓口を担当する日でもやはりAさんの前が賑わっているのです。今度はやや遠い距離から眺め直してみると、そのわけが判った気がしました。どの行員さんもそれなりに行き届いた応対なのですが、際立つのはその動きです。Aさんの首から上は常にこまめに動きます。頭を振り、顔を上げたり下げたり、上半身全部を使って流れるように仕事をされています。しかも、きびきびとしたその動きは決して大げさでなくごく自然。何とも「ほどよい」応対です。Aさんの周りには、何だか「気」がみなぎっている感じです(ここまで言えば私の妄想かなあ)。客は無意識のうちにAさんの窓口に寄っていくのでしょうか。あのほどよい愛想と動きが、他の行員さんの「静の応対」とは違うのですね。
 このところ通院は月2回、その日Aさんの窓口に立つと気分が爽やかになります。窓口の通過は1分そこそこですが、ちょっと元気をもらいます。私は癒された上に接客の仕方をも学びました。頑張ってね、Aokieさん。