ノスタルジー

「ワンちゃん宮司の旅の宮余話」(改題)

しち・ご・さん

日曜の12日、19日とその前後の数日「七五三」の手伝いで氏神さまの社務所へ出かけた。 小さなお宮のことで、常勤は神職(宮司)一人。 祈祷や行事が重なり、スケジュール一杯になると、来客につい不行き届きな応対になってしまう場合も出てこよう。 そこで、…

帰る姿が懐かしい……青春の並木道。

日没まで間があった。 知人を訪ねての帰り、急に思い立って、すこし回り道をして、昔の職場辺りをのぞいてみたくなった。 その宝物館の駐車場に車を止め、管理事務所の近くを歩いてみる。 高い植木に囲まれ、事務所は五十数年前の佇まいそのままに思えた。 …

ふる里は、今・・・

秋のお彼岸。妻と連れ立って私の生まれ在所へ墓参に出かけた。 車で30分ほど。 村はずれの、曲がりくねった細い坂道を上り詰めた辺りに墓はある。 花と水を供えて父母や先祖の霊を慰め、当家一統の無事を祈った。 実家に寄り、弟夫婦と歓談した。 私の同級生…

娘の気持ち・父の祈り

長女は、ほとんど毎朝晩、通勤途中の車から電話してくる。 「おはよう」とあいさつすると、 「うん・・。マロンは、何してる?」愛犬チワワのご機嫌を聞く。 老いた両親と飼い犬の、どちらを気にしてくれているのやら・・。 長女は、私どもから車で40分ほど…

男、至福のひととき?

連休で、名古屋に居を構える長男が帰省した。久しぶり、正月以来である。 夕食の後、コーヒーを飲みながらの雑談で。 息子が言うには、毎日大抵夜9時ごろ車通勤の帰り道、途中コンビニに立ち寄って100円コーヒーを買い、車の中で一人カップを抱え込む。 ひと…

今日は見知らぬ顔ばかり・・

ふだん、私個人のお金の出し入れは、A銀行B支店のATMで済ませているが、少し尋ねたいことがあったので、一年ぶりくらいだろうか窓口に立った。 順番を待つ間、カウンター内で立ち働く行員さん方のお顔を見渡したが、奥の支店長席で書類を見る男性も、窓…

沈丁花の花の香り……

2平米ばかりの裏庭に、妻が移植した沈丁花が花をつけた。 背丈は50センチほどだが、数本の枝に四五十個も白い花を咲かせ、辺りに甘く上品な香りを漂わせている。 チワワ散歩の行き帰り、鼻を近づけては、やや強い香気にひとり酔っている。 沈丁花の香りが…

『毎日、出来心』……

中日新聞のコラム欄で、女流画家篠田桃江さん(103歳)の「残り人生をスケジュールに合わせて動くなんて、とんでもない」「私は、毎日、出来心」という趣旨の言葉が紹介されているのが、目に留まった。 私は、思わずニヤリとした。何とシンプルで、歳を重ね…

さようなら、ターやん。  その3

報道部員は年中、肩にカメラをぶら下げ行動していた。写真が本職のカメラマンも、時には記事を書いた。地方紙の記者は何でも屋であらねばならない。 あのころ、記者不在の名張支局のカバーは伊賀上野支局が受け持っていたように憶えているが、実状は何とも心…

さようなら、ターやん。  その2

翌日から、報道各社の取材競争が始まった。 当時、伊勢新聞の県警本部記者クラブ詰めはNキャップと私の2人。私は県政記者クラブのカバーもさせられていた。 ベテラン記者のNキャップが、事件の現地へ向かい、私は鑑識課や県の衛生研究所などの取材を受け…

さようなら、ターやん。

ターやんが、亡くなった。 新聞の訃報欄で見て、びっくり。 二度三度、読み返した。 「ターやん」こと田中芳朗さんは元伊勢新聞写真部員〜カメラマン。 年齢は私より一つ上、入社は2年先輩である。 なぜか気が合って「おい、ワンちゃん、行こうや」と私を誘…

さつき満開

境内のさつき。ことしも満開。氏子総代が、きれいに形を整えてくれました。四、五日もすると、梅雨の走りが来そうな雲行きです。

目に若葉〜

三日続きの雨風で、境内林の装いが変わった。サクラやクスなどの病葉がきれいさっぱり落ち果て、みずみずしい若葉に入れかわった。春に三日の晴れなし。毎年この時期は、雨と風の日が多い。まるで世代交代をせかせるかのようによく降り、風も強い。移ろう季…

お幸せに

朝、出仕してほどなく、意気のよい若者が窓口に立った。 にこにこ笑っている。憶えている。去年春、当神社で結婚式を挙げられたTさんだ。 「宮司さん、お久しぶり。今日は結婚一周年記念日で、お礼参りにきました。妻も一緒に来たかったのですが、勤務の都…

ご利益を……

50歳前後と思われる男性が、土曜か日曜日の朝一人お参りされる。 数ヶ月前、社頭で初めてお見かけしたころは軽く会釈を交わすぐらいであったが、近ごろでは私の姿を見ると、お神札授与所の窓口まで歩み寄ってきては、いろいろ話しかけてこられるようになった…

梅は咲いたか……

寒風がおさまるのを待って、久しぶりに境外の梅林へ足を延ばした。 早やつぼみが膨らみ、一輪ニ綸咲き初める木もあった。立春が過ぎてから、寒波に身を縮める日が幾日かやってくるのが当地の例年2月である。 来週11日は祈年祭(きねんさい)が斎行され、獅子…

疎き老眼すかして見れば……

去年の夏から白内障の治療を続けているが、老化がさらに進んだか、特に右目が急に疎くなってオペをお願いした。 右目は明るくなった。目の前の壁がこんなに白かったのか、ノートの紙もこんなに白かったんだ……。喜んだのも一両日、愛用のメガネと右目の度が合…

忘れたころに……神前結婚式

一年振りに結婚式をとり行った。 受け付けて色々話を聞いてみると、両家親族等の出席者が40人。こりゃ大変。 ここ数年来の挙式は、ほとんどが新郎新婦と両親、兄弟ら出席はせいぜい数人。仲人はなし、といった簡素な結婚式の申込ばかりだった。 忘れたころの…

こころ新たに

4月、新年度が始まった。 気持ち新たに、さあスタート。 境内、境外林のサクラ満開である。日差しも暖かい。 社務所は相変わらず忙しい。新任氏子総代の名札書きかえ、名簿整理、会計決算次いで会計監査、文化財等補助金関係の決算・予算・事業計画書の作成…

やれやれ、3月

窓越しに見える東参道のソメイヨシノ。あした辺りちらほら咲き初めそうな気配。 毎年のことながら、年度末の3月は体も心も余裕を失う。妻に任せている店の決算、私自身の確定申告。神社一般会計、特別会計の決算、指定無形民俗文化財等保存継承事業(獅子舞…

梅も桜も、もう少し先のようです

夕方5時前、ジャンパーを引っかけると、思い切って寒風の境内に立った。 700メートルほどの長い東参道を行くと梅林。つぼみは少しふくらんだ程度。桜はまだずっと先のようだ。あたりをちょっと見回して異状なしを見届けると、急いできびすを返す。 参道沿い…

総代さん、誇りを持って!

街行けば元気なお年寄りが満ち溢れて?いる。まさに熟年。 夫婦旅行、ジョギング。梅の便りを耳にはさめば、カメラ片手に愛車で駆けつける。産直市に出向いてあれこれ試食して回る等々、毎日忙しいことである。それが生きがいという人もあろう。 そんな人た…

右向けば、右を向いたまま

私ども氏神さまは、氏子の地域代表である氏子総代の奉仕活動で維持されている。 宮司に就任したてのころ、古い総代から「立派な宮司がひとり逆立ちしたって神社はやっていけない。運営は、すべて氏子総代の働きいかんにかかっている」と冗談まじりのあいさつ…

あちゃー、また、やられた

神宝庫の賽銭が盗まれた。施錠が引きちぎって破られ、真ちゅう製の錠前も消えていた。 賽銭箱の中身は、今回も銅貨数十円か多くて数百円であったろうが、人さまが祈りを込めてお供えした賽銭を盗む行為に腹が立つ。 賽銭箱を修理しても修理しても、しばらく…

神主さんはみんなタフ

神社庁支部の忘年会。いつもの顔ぶれ。 敬遠されたか、ことしも若い神職の姿なく、年寄りばかり十五、六人。 酒は強いし、大声でよくしゃべる。コンパニオン相手に、会場はたちまち盛り上がる。 それなりに楽しい雰囲気である。 それなりというのは、酒の勢…

とりとめのない話

明日の月次祭(つきなみさい)の準備を済ませてから、向拝所付近の落ち葉をかき集め、炉(といっても地面に穴を掘ってブロックで囲んだだけのもの)で燃やした。 雨上がりで、湿った落ち葉はなかなか燃え上がらない。 「落ち葉を焚いた煙にむせ、涙誘われ泣…

やすきにつく

氏子のAさんが車を買い換えたので、昇殿され交通安全を祈願された。 先ごろ追突され、車は後部を大破したが、幸いけがは免れたとの話。 「新車にかえるたび交通安全祈願のお参りをし、車のお祓いをしてもらっているお蔭です。小難で済ませてもらった。」と…

やっぱり動くべし

まさに小春日和。穏やかで、暖かい一日であった。 朝から七五三の祈祷が数件。3歳児と5歳児ばかり。ロビーや拝殿は人数以上のにぎやかさ。廊下でのかけっこには参った。 この日、境外地の近隣公園で地元商工会青年部主催のイベントがあって、会場への通り道…

はぐれ七五三

秋はいつも駆け足だが、ことしは気配を感じる間もなく過ぎ去って行った。 秋の大祭も終わり、週末のきょう明日は「はぐれ七五三」の予約が数件。よんどころない事情があったのだろうと思うけれども、やっぱり15日までにお参りいただけたらと残念である。何事…

いつかどこかで

紀伊勝浦へ妻と一泊旅行。熊野那智大社や新宮の熊野速玉大社をお参りした。 遊覧船で紀の松島めぐりや太地のくじら浜公園を楽しみながら、これは前にも来たことがある風景だ、いつだれと旅行した時だったろう、そんな思いに陥った。 那智の大滝や熊野速玉大…